ウェーブフロントレーシック
監修:吉野眼科クリニック レーシックは眼球がもつ屈折状態、つまり近視・乱視のみをデータとして手術を行います。しかし、眼球を立体的な面で捉えると、個々にさまざまな形状をしています。従来のレーシックによるレーザー照射は一様で、眼球の屈折状態では捉えられない個体差までカバーしていないのです。ウェーブフロントレーシックは、その個体差を、「波面収差 (光の屈折のズレ) 」を用いて解析し、加変的なレーザー照射を行うことで、収差 (ズレ) を限りなく除く機能を備えています。
そのため、個々の眼に合わせてレーザー照射をカスタマイズできるので、従来のレーシックよりも優れた技術と言えるでしょう。また、収差が大きいと光がにじんで見えるのですが、ウェーブフロントレーシックは従来のレーシックに比べ、光のにじみを抑えると言われています。
検査方法
矯正後に眼に入ってきた光は焦点の一点へ収束されているようですが、実際には多少のズレが生じています。これは眼球や角膜の歪みで起こり、光の屈折のズレ=「収差」と呼ばれています。ウェーブフロントレーシックでは収差を含めた個々の眼球形状を精密に捉える検査が必要で、「波面収差解析装置」 (図1) によって行われます。極めて精密なデータが必要なので、この検査だけで1時間ぐらいを要する場合もあります。
この「波面収差解析装置」によって得られたデータを吟味し、レーザー照射パターンを決定します。修正を加えたデータを、特殊なコンピューターチップを介し、エキシマレーザー機器が読みとり手術が行われます。
ウェーブフロントレーシックの手術を行うためには以下の3点が必要なため、ウェーブフロントレーシックができる施設はまだ限られているのが現状です。
- 加変的なレーザー照射機能を備えたエキシマレーザー装置の完備
- 波面収差解析装置による検査
- 波面収差のデータをエキシマレーザー装置にリンクさせるシステム
また、比較的近視が弱い方でも、収差(夜間の光のにじみ)を軽減する目的で、ウェーブフロントレーシックを推奨する場合もあります。
以下は大まかな目安ですので、ご参考にしてください。尚、データには個人差がありますので、あくまで参考までに止めていただき、実際の検査の結果で判断することをおすすめします。
- 近視度数が−4D (ジオプタ) 以上の方
- 乱視度数が−2D (ジオプタ) 以上の方
- 角膜厚が薄い方 (500μを下回るような方)
- 瞳孔径が大きい方 (暗所6mm以上の方)
- 夜の車の運転が多い方
- 職業等でより質の高い視力を要求される方
- 術後の光りのにじみが従来のレーシックに比べて少ない
- ハロ、グレアなどの副作用が出にくい・角膜不正乱視も矯正可能
- 角膜の切除量が通常より多くなる場合もある
